修道院便り2008年

 

 聖書を読む      Sr  赤井 幸子

カトリック新聞の記事の中に、「信者たちが聖書を読まなくなってきている。聖書を読むことを勧める」ということが載っていた。

修道生活の中で、レクチオ・ディビナは大切な修業の一つで、時間割の中にそのための時間があるのは、とてもありがたいことである。

信者たちが、一般社会の中で生活する時、祈りの時間や聖書を読む時間を確保するのは、余程の決心と努力をしないと、なかなか実行するのは難しいことであろう。それに、聖書とくに旧約聖書となると、部厚くて気軽に手に取って読むという感じになれない。内容は結構物語のものもあって、面白く分かり易いものもあるけれど。

私たちは幸い聖書の専門家の司祭、ブラザー、先生方の講話を聞くチャンスが与えられている。原文からの意味の説明や解説等を聞くと、日本語訳の聖書からでは解らない、深い意味があることなど教えられて、又、ユダヤの文化と日本の文化、気候、生活様式の違いを理解することによって分かることなどもある。

昨年から、聖書 100 週間というのを、知人を通して参考資料を頂き、養成グループと共に始めた。創世記から始めてそのプログラムをこなすのは、超特急電車に乗ったようなスピード感で読んで、ゆっくり味わえない時もある。ここは面白くなさそうだから飛ばそうと、聖書全体を読まなかったので、とにかく、あの部厚い聖書を始めから終りまで読むという、恵みの時を頂いている。今年は丁度、聖パウロ年にあたって、パウロの書簡を読んでいる最中である。グループで、それぞれ読んできたことを分かち合い、解説を聞いて、祈りをして、み言葉からくる真理の光を、少しずつ味わわせていただいている。聖書の解釈は、これが正解というのはなく、個人個人で違って良いという、その味わい深さ、知恵と知識の深遠さを、感じさせていただいている。

聖母に倣って、み言葉を心におさめ、宿し、思いめぐらし、私の道の光としてゆこう。

 

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