修道院便り2008年

 

 フランス・聖ヨゼフ本部修道院滞在記      Sr  大場  幸子

7月3日 「ボンジュール!」「ボンジュール!」  Sr. 本田と私の到着が伝わると院長の Sr. ゴッドフリーダをはじめ、シスター達が出迎えてくれました。 10 年ぶりの再会と歓迎の抱擁は快さを感じます。

 聖ヨゼフ修道院は 28 人のシスターから成り、国籍は 10カ国におよびますが、一致していて受け入れ合う開かれた心をシスター達に感じます。9人のシスターが車イスを使っていますが、6台が電動式で自分で運転操作ができます。3台は手押し用で援助が必要です。外部の人たちの手伝いもありますが、いろいろな面で奉仕、姉妹愛、愛徳を生きる場がここにはたくさんあります。

私の仕事は修道服のアイロンかけと毎日夕方、サントン(プロヴァンス地方でクリスマスのまぐさ桶の模型に飾る極彩色の粘土人形)作りです。 53種類もあって私はそのうちの 10位はしたでしょうか。“羊と羊飼い”“ハトと少年”“天使とタンバリン”等々いろいろあります。小さくくぼんだ目、頬がふっくらした高さ 6p位のかわいい人形です。他に車イスのシスターの日光浴のため庭を散歩する奉仕をしました。個人的に受けたレッスンは、シタールとフランス語の勉強でした。

8月上旬に、私はオージョン、サン・ルーにあるアンカルナッション修道院を訪問しました。パリから高速に入って3時間、ショーモンで降りて街中と田舎道を 25 分位走ったところにこの修道院があります。緑の美しいところで向いの丘には羊たちが放牧されています。

この共同体には8人のシスターがいます。そのうちの1人に、日本における本会創立のため最初のメンバーとなった Sr. マリ . アガタがいます。シスター達に会うことも楽しみでしたが、年を重ねたシスター達の生きる場がある、本会もこのような形式の共同体を持っていることに会の豊かさを感じました。帰りに Sr. マリ . アガタが「あなたと会うのはこれが最後でしょう。」と言ったとき私は「お元気で!」と一言言っただけで涙をこらえるのが精一杯でした。

8 月 23 日  Sr. マリア . ゴレッティ(タンザニア人)の終生誓願式がありました。司式はベルギーの Orval (トラピスト会)修道院の大院長様がなされました。新調の修道服を着た Sr. マリア . ゴレッティは喜びにあふれて輝いていました。家族と“教会”いっぱいに集まった参列者達に見守られて神様の祝福に満ちたすばらしい誓願式でした。 

数日後の休日に、シスター達と森へ行きました。チボー家の所有地ですが、広大な森は何度でも行きたくなるところです。アヒルのいる池まで行くのに 30 分以上もかかります。この池の側にプラムの木が5〜6本あって丁度熟していましたので幹を大揺れに揺さぶって落としたり、飛び上がって採ったりして、楽しいひと時をすごしました。霊的会話をしながら、おしゃべりをしながら、散策に絶好の場です。時には鹿やキツネ、リス等が飛び回っています。修道院の庭にも大木が何本もありますが、数年前のサイクロンで木が倒れ、様子が変わってしまいましたが、街の雑踏から門を通り抜けると一瞬にして美しい木立に包まれます。地上4階地下1階のブルーグレーの建物と窓の白いヴォレが美しく、気品さを感じます。日々のミサと聖務には一般の方達も与ることができます。これはこの共同体の教会への開かれた姿勢の一面をみることができました。

3カ月間の滞在中、私はシスター達との出会いや生活を通して、神様から遣わされたノートル . メール(創立者)は“私たち一人一人を呼んだ。私たちはノートル . メールの娘なのだ。”と感じたとき、私の心は開かれ一人一人をとても身近にそして親しく近づくことができました。それによって一人一人のシスターは私の心の中に、私は一人一人のシスターの中にいる。深く大きな存在の中に私がいたことを実感しました。入会前の訪問と 2 回の本部修道院での生活体験は、私が本会と深く結ばれる機会となったことを感じます。

聖務のたびに祭壇のみ前に立つことのできる喜び、それに白子のシスター達一人一人が与えてくださった一時間一時間に心から感謝した日々でした。

 

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