修道院便り2008年

 

   かかわり      Sr  鈴木 喜代

この夏、私たちは、さまざまな偶然を通して、刑に服している人達のために祈り始めています。

<その1.>
  M.O.P.P.(聖ペトロ・パウロ労働宣教会)の兄弟から、麦の会という拘置所、刑務所にいる拘禁者、獄中会員で作っているもので、自分が犯した罪を悔い改めて、更生の道を歩み続けることが出来るように、支え合ってゆく会の存在を紹介され、同時に一ジャーナリストが書いた“死刑”という本を読ませてもらいました。死刑廃止の是非、被害者、加害者、警察、裁判所、検察庁、刑務所、さまざまな視点から3年がかりで書かれた本でした。

<その2.>
  9月に入って、一人のシスターが黙想に来られました。   ところが、何とこの方は長年死刑囚と関わっておられるのです。

<その3.>
  その同じ頃、朝日新聞掲載の“魂”という題目で、冤罪えんざいで死刑囚となり、28年目に処刑された人の歌“叫びたし寒満月の割れるほど”のことが記載されていて、そういえば、この本を書いた古川泰龍という人のことを思い出し、私たちの図書にある本なので読み返しました。

このような訳で、これらの偶然は神の摂理と思わずにはいられず、私たちは、共同体で話し合った結果、キリスト教のネットワークの一員として、刑に服している人のために祈ってゆくこと、麦の会を支援してゆくことになり、その担当を私が引き受けることになったのです。私にとっては、別世界の出来事のようでピンときませんでしたが、本を読ませてもらい、又、麦の会の代表者の手紙、文脈を通して、今を精いっぱい生きている人々と共に祈りのうちに、連帯してゆけたらと思いました。よちよち歩きですが、お祈りで支えて頂ければ幸いです。

 

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