修道院便り2009年

 

 司祭年に寄せて      Sr  服部  美智子

 教皇ベネディクト16世は、6月19日の「イエスのみ心」の祭日から1年間を、「司祭年」と決められました。
 そこで、私の司祭との出会いを思い起してみました。

 私が始めてカトリック教会に行ったのは19歳の時、友人に誘われて下町の“かまぼこ兵舎”の教会に行ったのが最初でした。そこで、始めて「御ミサ」と言う式に与りましたが、子供からお年寄りまで、皆心から聖歌を歌っている姿が、とても印象的でした。パンとブドウ酒の聖別の後、全員で歌う“主の祈り”;天にまします我らの父よ・・・を聞いた時、私は雷に打たれたように感動したのです。小さい時に父を亡くした私にとって、我らの父である神がいらっしゃる、その方は皆のお父さんなのだと知った時の驚きと大きな慰め、私は一人ぼっちではないのだと、大変勇気づけられました。

 その教会の主任司祭は、ドイツ人のM神父で私にとって忘れられない大切な思い出があります。私が本会に入会して数年後、パリ郊外の修道院で有期誓願期を過ごしている時、M神父は何年ぶりかの休暇でドイツに帰られる途中、私に会いに来てくださったのです。慈父のようなこの司祭を通して、神である御父の愛を分らせて頂きました。
 又、当時助任だったK神父も、私の召命のために、本会との連絡の手紙の翻訳、フランス語の勉強を見てくださり、渡航の際はマルセイユでの出迎えの人の手配まで、助け支えてくださいました。
お二人とも、愛する家族や祖国を離れて日本に宣教にこられ、人々の救いのために一生を捧げて生きる姿は、本当に崇高です!日々の労苦の中、自分を与え尽くしている老司祭、睡眠時間も充分に取れないのでしょう、聖堂で跪いて祈っている時、居眠りをされている姿を見て、何か申し訳ない気持ちで一杯になりました。

 現在、私が幸せな修道生活を送れるのも、多くの方々のお陰です。神のご計画によって、神は多くの人々を通して私を導いてくださいました。深い感謝の心で祈りの日々を捧げています。




    う た

     

夕映えに家路急ぐ白鷺の。
 

     新鮮な庭のキュウリ丸かじり。
 

読み疲れ庭を見ればさるすべり。
 

     シスターの聖務に合わせる虫の声。
 

修院の庭に広がる盆踊り。
 

     ねむの木の淡い花色夢心地。
 

蛍とぶ川辺に涼む親子づれ。
 
 

               服部美智子

 

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