修道院便り2009年


 しっとりと      Sr. 大場  幸子


神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第6の日である。天地万物は完成された。(創世記1.31,2,1 共同訳)

3年前の修道院便りで“粋”について感じていたことを書きましたが、今年も同じようなことかなと思いつつ次のことばから書いてみました。「最近、しっとりしてきましたね。」と言われ、“しっとり?”“しっとり?!”と心にしつつ思いめぐらしていましたら創世記の箇所が浮かびあがってきました。

神様が創造のみ業を終えられると、つくられた物は神様の満足と喜びに満たされて、生き〜と息づき、1つ〜は輝きを放ち周りを照らしているようです。それに神様ご自身の凜とした姿が、また荘厳さのうちに調和があって、そこには“しっとりさ”に満ちている私はそんな感じを持つのです。この神様のしっとりさは、雨あがりの草木に、昼寝から起き上がってきた幼児に、歌舞伎役者や芸能人の演技に、それぞれの道に励む人々に、そして神様にむかって励む人々に、神様はご自分の無償の恵み、心意気、慈愛をお与えになり、その人はうるおいと輝きに満ちてまわりを豊かにします。

光の祭儀からはじまる復活徹夜祭は、復活賛歌が力強く歌われると、ことばの典礼にかわり、第一朗読は創世記の天地創造の場面が朗読され、聖なる徹夜祭は、救いの神秘の展開を参列に味わわせてくれます。
そして全員、神様の“しっとりさ”で満たされるのです。

 

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