修道院便り2009年

 

   《心をつくし精神をつくし思いをつくして、あなたの神である主を愛しなさい》
      Sr  佐々木 あとみ

 「ファリサイ派の人々はイエスがサドカイ派の人々を言いこめられたと聞いて一緒に集まった。そのうちの一人、律法の専門家がイエスを試そうとして尋ねた。『先生、律法の中でどの掟がもっとも重要でしょうか。』イエスは言われた。「『心をつくし精神をつくし思いをつくして、あなたの神である主を愛しなさい。』
これがもっとも重要な第1の掟である。第2もこれと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」(マタイによる福音書22章34〜40節) 2009年8月21日の聖書深読より。
 
心をつくし精神をつくし思いをつくしてあなたの神を愛しなさい、とはどういうことか。どうすれば神を愛することになるのか? 想い巡らしながら読み進んだ。今までは、この問答の始めの質問が「律法では何が一番大切か」という質問だったので律法のこととしてしか読んでいなかった。
 しかし今日は、「預言者は、この二つの掟に基づいている。」というところに目がとまった。そういえばイエス様も預言者と言われたんだよなぁ。イエス様は、どうやって心をつくし精神をつくし思いをつくして神様を愛されたんだろう…? イエス様の人生を振り返って見ると、「ここぞ」というところで、必ず「御父とだけの時間」をとっている。奇跡を行なう前、ゲッセマネ、十字架上での7つのことばでも、「エリ エリ レマ サバクタニ、わが神わが神なぜ私をおみすてになったのか」と御父とだけの時をとっている。 同時に気づいたのは、イエス様の人生において、まず始めに御父の方からイエスに語りかけているということ。洗礼の時、御変容の時、イエスの公生涯の始めに、まず御父からの「これは私の愛する子」という言葉。そしてそれに対応するかのようにゲッセマネ、十字架でイエスが「アッバ」と御父に応えている。
どれほどイエス様が御父との時間を大切にしておられたことか。これが「神様を第1に愛する」ことなんだ。 そしてここで私の拙い疑問が出て来た。御父は何を第1に愛するのだろう? 御父は愛御自身なので、愛する対象はそれ以外のもの。つまり、創造された私たち、創造されたこの世界、創造された私、なのだ。

 御父は、まず私たちを愛しておられる!!
 この世界、私たちは、この愛であるアッバ=御父に愛され包括されている。
 祈り=イエス様、あなたが御父を愛されたように、私も御父との時間を大切にして行けますように聖霊によって助け導いて下さい。アーメン。

 

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