修道院便り2010年
母の帰天 Sr 赤井幸子
10 月16 日(土)、午前2 時20 分、母は御父のもとに旅立った。
大正、昭和、平成と時代の移りかわり、多くの労苦を体験して、96才の生涯を全うして。
晩年は、83才で脳梗塞を患い、13年もの療養型病院の生活であった。最後の3年間は、肺炎を何度もおこし、熱を出したり、風邪、インフルエンザ、感染症で苦しみながら峠を越してきた。お見舞いに行って、チューブにつながれ苦しんでいる姿を見なければならず、辛く重苦しい日々が続いた。
今は、心身の苦しみから解放され、御父の慈しみの中で、安らかに憩われていることであろう。
修道会に入会する前、前橋の教会にいたとき、信者のおばあさんが生前「わしが亡くなったら、赤飯を炊いて祝ってくれ」と言っていた。カトリックの信仰ってそうなんだ。聖人の祝日はその人が亡くなった日なのだ。と信仰を新たにしたことを覚えている。
仏教でも「命日」というのではないか。同じような意味を持っているかどうか分らないが、死んだら仏になるというのを聞いたことがある。
お通夜と葬儀、そして火葬が終わって、遺影をささげて参列者と共にマイクロバスに乗って空を仰いだ。雲の間から太陽の光がさして、それは天国から母が光の国へ入ったシンボルのように見えた。生前の苦しみを思い出すとまだ涙が出るけれど、私の心は平安のうちにある。
神さま、すべてをありがとうございました。多くの人が、母のために祈って下さったこと、心からありがとうございました。
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