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 修道院便り2010年

 

 天国で出会う  Sr.Maria Gratia 佐々木あとみ

 今年二人のシスターが帰天した。
 そのうちの一人、Sr. マリア・ステファナ(吉浦京子)は私と同じ時期に本会に入会し、一緒に志願期、修練期と歩んで来た、いわゆる「同僚」である。

 生まれ育った家庭では一人っ子だった私は、肉親としての兄弟姉妹の味を知らなかった。しかし共同生活をしている修道院では、起きるのも眠るのも、祈りも食事も、仕事も勉強も、生活のありとあらゆることをずっとずっと一緒にして行く。
 彼女が病院に入院するため修道院を離れてから天に召されるまで、私の心には、「親以外の家族、姉妹がいないってこんなにさみしいんだ」という思いがよぎっていた。数年前までは、まったく見ず知らずの関係だった人が、神様によって同じ時期に同じ修道院に呼ばれ、年齢も近く、ともに主イエスの愛に応えたいと、互いに祈りあい切磋琢磨してきた姉妹、神様から特別に与えられた姉妹。私は泣きに泣いた。
そして彼女は召されて逝った。

 時を前後して、野口神父のセッションで、「天国ってどんなところですか?あなたの天国を表現して下さい。」という宿題が出された。この詩にある「玉座」は聖書の巻末の書、「ヨハネの黙示録」に登場する神様の座からのイメージ。そこはすべてが平安で、そこにすべては結び合う。
 Sr. マリア・ステファナは天国でイエス様に抱かれて、私のため修道院のため、そしてこれからやって来る妹たちのために祈ってくれている。今、私は不思議なほどさみしくない。天国での再会を楽しみにしながらも、すでに神の国においては主イエスによって霊的な一致を、永遠に変わることのない神の愛による一致を腹の底から確信しているからだ。

天国ってどんなところ?
玉座からは虹の光、子羊の光があまねく世界をてらす。
すべての存在は透明で闇も影も見あたらない。
あの人はどうしているかしら、この人にあいたいな…
思った瞬間にその人と出会う
時間も空間も超えている。すべての存在が透明で愛のうちに一致する。
玉座からは虹の光、イエスの光があまねく世界をてらす。
すべての存在は透明で愛のうちに一致する。


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