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        希 望 


                                                Sr. 服部美智子


“疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。
 休ませてあげよう“ (Mt11-28)


 今年3月11日の大震災で愛する家族を亡くされたかた、今だに家族の行方が分からない方、そして、仮設住宅その他でご上自由をしのばれている方々のことを思うと、心が引き裂かれるような心情です。
 私たちひとり一人例外なく、一生は一度の大切な生命を頂いています。それは、ひとり一人が幸せになるためです。その希望を持って周囲を見てみると、希望の光があちこちに灯っていることに気がつきます。


 この震災で世界から、百数十カ国の人々が、日本に援助の手を差し伸べてくださったことを思う時、他の人の事を考える深い人間愛と信頼は、神の似姿として造られた人間の真の姿だと思います。そして、ひとり一人の中にある優しさ、それこそ人間が人間であることの証しではないでしょうか。

 数年前、マスコミの医療バッシングと、患者の権利意識の肥大化で医療が崩壊しかけた時は、私たちの住む千葉県でも、県立病院が医師上足で、多くの人が困ったことがありました。最近ある雑誌で見たのですが、一人の日本人医師が、アメリカでの恵まれた地位を捨てて帰国し、母校の発展や後輩の育成に貢献しつつ、医療を再構築するため、また可能な限り、患者に負担をかけない医療を実現したいと、質の高い医療を心がけて、日々頑張っておられます。

 また、一人の方は、レベル4の進行性中咽頭がんで、余命2年と云われ一時は生きる気力も失い、家族へ遺書も書いたのですが、苦悶を一人で抱えることを止めて、つらかった闘病体験を書き残すことを始めたら、心が浄化されて、現在は元気に精力的に、活躍されています。

 私は、一度しかない人生を有意義に生きたいと思います。


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