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2. 私の信仰

Sr.金井 玉枝


 岐阜県多治見市の神言会内に本会が借り住まいしていた時期に15名あまりの共同体に私は迎えられました。洗霊を受けて3年後のことでした。  入会できたことで当初は、すべてが輝いていました。特に、聖務の歌唱が美しく、日に何度も聖堂に集まって聖書の朗読を聴き詩篇と讃歌で神を讃える喜びは格別でした

 初めて聖書に触れたのは明治学院の講義で聖書の引用句を聞いた時でした。教科書のリーディングサービスをカルメル会の1室をお借りしてしていただいたり日本点字図書館を当して、死刑囚に点訳を依頼したり、その人がカトリックの信者だったことから教会にかかわり始めました。ミサに誘われて参加すると、天国にいるようで涙が止まりませんでした。

 冬の寒い夜、下宿の四畳半で私は電気コタツで温まりながら、拘置所から送られてきた点訳本を読み感謝の手紙を書きクリスマスカードと一緒に拘置所へ送りました。

 人生は自分で切り開くものと強がってきた私もこの人を助けることはできず神に命を救ってくださいと願いました。卒業後の就職や結婚が壁に阻まれ突破できずにもがいていたころで必死に祈ったのでしょう。私の願いを聞いてくださっている方がおられる事を実感して、祈りに引き込まれてゆきました。将来の不安に振り回されるいらだちがすっかり消えて別世界に入り明るい人生が開けてきました。

 私の話し相手になってくださるこの方と生涯すごしたいと思って修道院に来ました。本会はフランス系の隠世修道会で、障害者を受け入れています。その目的は会員が、各自全生涯を神の御心に奉献することによって、十字架の神秘を輝かせることにあります。

 両親家族に育まれた家庭を離れて、信仰共同体に迎えられた私は、目の見えない私をそのまま受け入れ、ひとりの女性として取り扱ってくださる大きな愛と、人間の尊厳を尊重する自由の中で生きられる喜びを味わいました。

 40年余り歳月を経てこの幸せをすべての人に知ってもらいたいのです

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