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【 わたしの愛に生きなさい 】       Sr.Francisca 岡島静代


表題の言葉はヨハネ福音のイエスの言葉です。
最後の晩餐の時、長い時間お話をされたイエスの、その中の一言です。
終生誓願の時に、修道生活のこれからの指針としてこの言葉を私の標語としました。

終生誓願宣立の十年前、本会に入会する前、ある出来事があり、私は心理テストを受けました。その結果を聞きに精神科医のところへ行った時のことでした。
その医師は先ず「あなたの知能は5歳程度、精神は未熟で社会的な能力もない・・」と始まって次から次へと私の否定面だけを挙げていきました。肯定的なことは一つも言いませんでした。
私は人格を全く否定されたような思いでした。心理テストだけでどうして・・。
でも、最後に「・・だから、あなたは修道女にはなれない。」とおっしゃったので、修道生活を断念させたいのだな・・とわかりました。
20代だった私には大きなショックで、私にはいいところが何もないのだ・・と絶望的な気持ちでした。

ところが私は絶望しなかったのです。
帰る途中、ハッと気が付いたのです。あの医師が言わなかったことがあるのです。
それは、「あなたは愛することができない」と言わなかったのです。
「そうだ、私に残されているものがある。私は神さまを愛し、人を愛することができるのだ。私に残された能力、それは愛すること! 私は神様を心から愛し、人を愛していこう。」
動揺した気持ちを持ちながらもこれからの生きる目標を確信しました。

医師から言われたことが心の傷にならなかった訳でもなく、自信を失くしたことも事実ですが、でも、それよりも私はもっと大切なことが何であるか悟らせていただいたのです。

だから、イエスの愛に人生を賭けたいと思いました。イエスの愛、それも十字架上のイエスの愛を知り、その愛で人を愛していきたい、と。


「私の愛に生きなさい」

 *他の聖書翻訳では「私の愛に留まりなさい。」ですが私はフランシスコ会訳を取りました。