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地球の一角から      Sr 鈴木喜代



 6 月、教皇フランシスコはバチカンで公表された回勅(教皇文書)「ラウダート・
シ」(「あなたを賛美します」の意)で環境保護を訴えている。
しかし、いのちを与え、神を賛美するために創造された私たちの家である地球は悲鳴
を上げている。

神を信じる全ての人と全ての善意の人々に課せられる義務は気候変動を食い止める ための手段を講じ、大地と海洋の保護、すべての被造物に敬意と関心を持って配慮す ることだ。 創造に対する敬意が欠けていることは 存在する全てのものを造られた神への畏敬の 念を欠いていることを意味する。環境汚染と破壊について生態系の危機は、人間が起 因しているという認識が重要で、これについて、全ての被造物が神を起源としている ことを強調している。  さて、この場に及んで私たちはどのように生きているか、と考えてみた。物があふ れる消費社会の中、修道院も例外ではない。パソコンも使う、エアコンも使う、車も 使うし便利なものを利用する。 声高に叫ぶこともない私たちだが、共同体生活の中で意識的に行っていることを具体 的に記してみたい。 ・水を大切に使う。すべてにおいて。 ・汚染水を出さないために食器洗いの時は米のとぎ汁をつかう。洗い始めにとぎ汁で  皿の油落しをする。その水は土に返す。余程油が多い時以外、洗剤は使わない。  米のとぎ汁、固形石鹸で十分に足りる。 ・生ゴミは堆肥として利用する。 ・台所で出るさまざまな容器(発泡トレー、塩ビトレー)のものは、全部とまではい  かないが、まとめておいて外出の際スーパーに設置されている再生の回収ボックス  に入れる。 ・紙は各自使ったメモ用紙を大きな封筒にためて、他の紙と共に重ね、ダンボールに  まとめて再生紙のために出す。本、冊子、新聞紙も然り。 ささやかなことだけれど、できることをやっている。 自治体にだすゴミの選別はここ数年ずい分良くなったと感じるし、住民の意識が高ま っている。企業団体においても同様だ。それはとりもなおさず全ての被造物に対する 敬意と配慮に心が動かされている証拠だと思う。  大海の一滴が功を奏するように、私たちの美しい地球を守ってゆき、神を賛美し つづけたい。