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02 希望に向かって
Sr.赤井幸子

「木には希望がある」というように
木は切られても又新芽を吹き
若枝の絶えることはない
(ヨブ記 14 の 7)
 数年前のこと、修道院の庭にたくさんの椿の木があったが、虫にやられて幹から 切り倒されてしまった。その中の一本おとめ椿からひこばえが出て、その枝はどん どんのびて今は春になるとたくさんの蕾をつけ、美しいピンクの花を咲かせるよう になった。

 この夏、ひどい暑さでネムの木の葉がチリジリに枯れて落ちた。ところが、間も なく新芽が吹いて、今は青々と繁り風に吹かれているのを修室の窓から眺めている。 いのちのたくましさは希望を語っているように思える。
 少子高齢化の社会や教会であっても、日本をはじめ世界各地で大きな災害があり、 この世界はどうなってしまうのかと思えても、十字架の死と復活の信仰を生きるキ リスト者は「時のしるし」を見い出し、今の時代を希望をもって神のみ声に聞く耳 をかたむけて生きていきたい。

世の救いをになった木
十字架の木だけが 闇 
に漂うこの世界を 港に
導く救いの船 子羊の 
血潮に染まる 尊い木 

(十字架讃歌より)