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05 わたしと御言葉みことば 

Sr. 金井玉枝

 小さな店がまばらに立ち始めた蓮根はすね(東京都板橋区)、中央商店街の市民会館で、宣教師が英会話を教えると聞き、当時小学生だった妹と私は、こんな田舎町で英会話が習える幸いに喜んで行ってみました。
東大生が一人来ていましたが、次の授業からは宣教師を我が家へお誘いして、店の2階の座敷で授業が再開されました。

“In the beginning, God created the heavens and the earth.”
(初めに、神は天と地を創造された)

と読まれるのを聞きながら、聖書も神もそして英語もおぼつかない私たちには何のことかわかりませんでしたが、これが私が最初に出会った御言葉でした。その後、明治学院の教科書に引用されている英語の聖書に触れる機会はありましたが、それは私とは関わりがあるとは思っていませんでした。

 卒業後の将来に上安を抱えながら過ごした時期、上野毛かみのげ(東京都世田谷区)のカルメル会の一部屋で信者さんにレポートの代筆をしていただきながら、静けさの漂う修道院を初めて訪ねたのでした。
 そして半年後に、そこで洗礼の恵みをいただき、生きがいを見出し、神父様の紹介で本会を知り、修道生活を考え始めました。
毎朝、実家の近くの蓮根駅から始発電車に乗りカルメル会の6時半のミサにあずかりました。


 1984年の春のことです。終生誓願前の一か月の黙想を一人でしたとき、前もってご受難会のR神父様からいただいたイザヤ書49章を一人で祈っていた時、パノラマのような光景が眼前に広がったのです。

 それは、イエスが捕囚民を率いて荒れ野を進んでいて、私を招き、イエスと私が両側から捕囚民を挟むような形で、解放の地へ向かう光景でした。
 私は初めてイエスから、同伴するよう招かれているという喜びを味わいました。


そして今も毎日、御言葉を通して、イエスがご自身を私に表し、喜びと力をくださっています。


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