修道院便り2009年
「 共に 」 Sr.鈴木 喜代
「お祝い日おめでとうございます。はい!読めましたよ、よくできました。」と指先で読んだ姉妹の明るい声に、ワーッと歓声があがりました。
この夏、私たちは週に1度、一ヶ月間点字講習会をしたのです。
講師は全盲の姉妹、今迄、目の見えない姉妹は一人でしたが、この春着衣した姉妹と共に二人となり、更なる必要性を思い奮起し、この場が与えられました。
年長の姉妹たちの中には、点字を打つことができる姉妹がおりますが、ほとんどの姉妹たちは始めてで、点字器の使い方、点筆の持ち方から始まりました。点字は6つの点からできており、その組み立てはローマ字式です。
点の位置3点で母音ができ、これが基本になって、他の組み合わせで子音が生まれます。
点字は紙の一方から他方へつき出して打ち、盲人はその凸面を読むので左右が反対になります。晴眼者の場合は、打った凹面から読みますが、盲人のように凸面を読むのは難しいのです(晴眼者は目で読むので)。
又、約束事も沢山あり、気の遠くなるような思いですが、何はともあれ、簡単な文章から始めてみました。
一字一字一覧表(五十音、濁音、数字、アルファベット、etc)を見ながら打ち込んでゆきます。それが冒頭の文章になった訳です。
私はこれまで盲人の姉妹へのお祝いカードは、点字が打てないので普通に書いていました(これは後で、院長が読んであげていました)。最近はテープに吹き込んだりしていましたが、今回この機会が与えられて感謝です。
やはり、直接手にとって気持ちが伝わるのは、お互いに嬉しいことですし、喜びも大きいです。丁度、お祝い日が近くであった全盲の姉妹に、習いたての点字で贈ることができ幸いでした。又、この事とは別に、点字は日々の生活の中に浸透しています。物品、各部屋の名前、衣類かけ、引き出し、又野菜の皮むきには切り方、大きさなどをカードに貼りつける・・・など、いろいろ工夫しています。
これらを含めてこの講習会は、私たちの相互理解と一致を深めることができ、神への賛美と感謝を新たにしたのでした。
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