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01 若き日の夢

Sr.Veronica 高橋和子



 熱心な仏教徒の家庭に生まれ、キリスト教のことは何も知らなかった私。中学生の頃抱いていた夢は、尼さんになって、あまり便利ではない辺ぴな村に行って住み、そこの人びとと苦楽を共にしつつも、祈りの内に静寂な日々を送りたいと思っていました。
これは、たぶん同郷の宮沢賢治の本などに影響を受けていたのでしょう。

 キリスト教を学び、修道生活に惹かれる様になり、聖書を読んでいたある日次の場面に出会いました。

 アマレクがレフィディムに来てイスラエルと戦ったとき、モーセはヨシュアに言った。
「男子を選び出し、アマレクとの戦いに出陣させるがよい。明日、わたしは神の杖を手に持って、丘の頂に立つ。」
 ヨシュアは、モーセの命じたとおりに実行し、アマレクと戦った。モーセとアロン、そしてフルは丘の頂に登った。 モーセが手を上げている間、イスラエルは優勢になり、手を下ろすと、アマレクが優勢になった。モーセの手が重くなったので、アロンとフルは石を持って来てモーセの下に置いた。モーセはその上に座り、アロンとフルはモーセの両側に立って、彼の手を支えた。その手は、日の沈むまでしっかりと上げられていた。
 ヨシュアは、アマレクとその民を剣にかけて打ち破った。(出エジプト記17,8-13)

 聖書のこの言葉に出会ってからは祈りを中心にした修道生活を望むようになり、今の修道会に召され、50年の歳月が流れました。
 これまでに、どれだけの方々に支えられ、祈っていただいたのかしれません!
 心からの感謝をこめて。


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