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02 導かれて

Sr.服部美智子


「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。
 誰でも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」(マタイ7:7−8)


 私は自分の生涯を振り返ってみて、このみ言葉がピッタリだと思いました。

 私の青春時代は、人生の目的、将来のこと等を考えて、あまり希望のない日々だったように思います。
その頃、友人の一人に何か良く分からないけれど、惹かれる人がいて、良く話し合って分かったのは、彼女が教会に通っていることでした。私は確固としたものを求めていたので、教会に連れて行って欲しいと頼みました。
次の日曜日、彼女に連れられて教会に行き、始めて御ミサというものに与りました。お年寄りや子供達も交じって、皆一生懸命賛美歌を歌っていました。

 そして“主の祈り”「天におられる私たちの父よ・・・」を聞いた時、強い衝撃を受けました。神である天の父は私たち皆のお父さんであることを知ったからです。そのことは私に大きな喜びと平安をもたらしました。

それからは、毎日曜日教会に通い要理の勉強をして、主イエス・キリストのことを知るようになり、生きる希望がでてきました。教会では、主任司祭を始め、信者さん達が温かく迎えてくださって、すぐにその中に溶け込むことができました。それで教会に行くのが楽しみになりました。

 ある日、教会の図書で「リジューの聖テレジア」の自叙伝を見つけ、夢中になって読んだ後、私の生きる道はこれだと確信を抱いたのです。そして洗礼を受け、主任司祭に修道生活を望んでいることを話すと「受洗後3年は待ちなさい」と言われました。

 3年は長いなあ〜と思いましたが、いろいろ準備が必要で、先ず日本に100以上ある女子修道会のどこに入会出来るのか調べたり、家を離れたことの無い私を、母が許してくれるかが危ぶまれるし、と問題はありますが、何故か私はあまり不安はなく、神が取り計らって下さるという神に対して強い信頼のうちに、自分に出来ることをしながら、その時を待っていました。

 その内、本会のことを助任司祭が教えて下さり、フランスの本会の総長とも連絡を取って下さり、数ヵ月後入会することが出来ました。
これまで、多くの方々のお祈りと援助によって、支えられ助けられたことを深く感謝しています。



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