Sr.赤井 ゆきこ


「来たれ、キリストの花嫁よ、主がとこしえにあなたに備えた冠を受けなさい」

 この歌はグレゴリアンのレッスンの時に習った歌です。

 今年の初めに聖母被昇天の聖マリアのイコンを見ながら聖書の中の Corona の意味 を、聖ペトロ・パウロ宣教会士であるジュリアーノさんの聖書講話の時に学びました。 時あたかも世界中にコロナが感染拡大のさなか、大きな不安と恐れが人々の心にあ る時・・
もちろん、「Corona」という言葉は同じでも聖書のメッセージは同じではありませ ん。 ヨーロッパの教会や修道院にはたくさんの聖母被昇天のイコンがあり、その一部 をカラー印刷したものを通して見ることができました。聖母がキリストから冠を受 けたように教会(キリストの花嫁であるキリスト信者となった私たち)の未来の姿 であること。イコンの中の聖母はキリストと同じように光輝いています。

 私たちもキリストによって神化にあずかると同じく 8 月にルヴリヨフの三位一体の イコンから「神は天地創造の前からキリス トにおいて私たちを愛された」( エフェゾ 1 :4)。描かれたテーブルの真ん中にある屠 られた子羊を囲んで、私たちもいつかそのテーブルの宴に招かれていること。 エウカリスティア(感謝の祭儀)のパンとぶどう酒の捧げもの、聖体を拝領し神 と一つとなる恩恵にあずかることを聖書のテキストを通して考察し意味を学びまし た。
 神の人間に対する愛がどれほどのものであるか。その深さと広さと大きさは私 たちの心と思いをはるかに越えています。人間が聖なるものとなるために神は御自 身が何者であるかを示すために、具体的に人間となって行動し、見えるかたちで触 れさせて教え示した。

 ―昨年よりコロナ禍が続き、社会も人々の生活も大きく変化し、不安や困難の 中で私たちの隠世修道院は千葉の田舎の小さな町で都会の人口密度の高い地域と 違って毎日ミサと聖務にあずかり、主に賛美と感謝を捧げてこられたことは有難 いことでした。 今、気候変動から来る災害、コロナ禍の闇の中にあって聖書の伝えるメッセー ジを希望を持って聞き、生きる力と喜びを新たにしています。